予算3万円以内! 編集部:船平のカジュアル時計レビュー/タイメックス新作


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編集部のカジュアルウオッチ担当:船平が、実機を見て“コレは欲しい!”と思ったモデルを本音でレビュー。3万円以内の予算で毎週1モデルを紹介していく。第2回は“TIMEX(タイメックス)”のレトロな復刻モデルをお届けしよう。

TIMEX
タイメックス

時計好きな人はご存じかもしれないが、ここ数年、カジュアルウオッチ業界は、北欧モダンデザインや、ドイツのバウハウスから影響を受けたシンプル系のデザインがスタンダードになっている。

シンプル系はシーンやスタイルを選ばずに使えるし、1本あると非常に便利。価格も手頃なので人気が出るのは納得なのだが、そうは言ってもそろそろ食傷気味になってきている人も多いのではないだろうか。そんな状況で時計好きの間で支持を集めているのが、復刻系モデルだ。

なんといっても印象的なのがデザイン。その名称からもわかるように、復刻系モデルは製造するブランドが自社のアーカイブを掘り起こしてその雰囲気を再現しているため、当時は最新だったデザインにレトロな佇まいがプラスされ、新しく作られたモデルにはない、独特の味わいを備えているのだ。

今回、紹介する“TIMEX(タイメックス)”の新作も、そのひとつ。機械式からクォーツへ本格的に移行する時期といえる1979年に発売されたダイバースタイルのクォーツ時計、“Q Timex”を完全復刻している。

》デザインの印象は?
当時、数多くのブランドが採用していたブレスレット一体型の樽型ケース、ロレックスのGMTマスターⅡが火付け役となって流行したペプシカラーの回転ベゼル、織り込み式ブレスレットなど、70年代ならではのレトロな意匠が魅力的だ。
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手頃な価格で購入できる日常使いの時計として発売されたオリジナルモデルを忠実に再現し、アルマイト加工を施したベゼルのシャイニーな質感、ステンレススチールを織り込んで製作した薄型のブレスレットなど、良い意味でチープ感を醸し出す佇まいに仕上げたの点にも、作り手のこだわりが光っている。レトロ感という点に関しては、素材にアクリルを採用した風防も見逃せない。こんもりと膨らんだドームに成型されており、ケース、ブレスレットと組み合わさることで、まるでデッドストックモデルのような佇まいを生み出している。
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そして、もうひとつ、このモデルの魅力となっているのが、“ハッチ・ケースバック”と呼ばれる裏ブタの構造。専用の工具を使わずにユーザー自身がコインでフタを開けて電池交換ができるようになっており、独特のインダストリアルなテイストはもちろん、実用面から考えても、魅力的な仕様といえるだろう。

 

》サイズ感は?
サイズは、横が38mm、厚さは約12mm(私が計測)。
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現行の時計としては小振りなサイズ感に加え、ケースに直接ブレスレットが設置された構造のため手首との密着感が高い。

 

》ベルトの作りもチェック!
オリジナルの“Q Timex”を再現したという、織り込み式のステンレススチールブレスレットを採用。ステンレススチールの板を織り込んで繋げる構造になっており、その構造と質感がレトロな雰囲気を醸し出している。
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少々、気になるのは織り込み式ブレスレットが腕の毛を挟むことがあるという点だが、これはあくまでも私の個人的な感想なのであしからず。装着感はかなり良好といえるだろう。

【総評】
高級時計を完全復刻したモデルは近年よく見られるが、日常使いの安価なモデルをあえて再現しているという点が面白い。
文字盤のプリントがクリア過ぎるので、あえて雑な質感に仕上げて、夜光塗料を立体的に塗布していたらさらに魅力的になったと思うが、それは欲張り過ぎというもの。2万円台という手頃な価格ながら、ケース、ベゼル、ブレスレットなど、細部までこだわって往年のモデルを完全復刻しており、作り手の熱意とこだわり感じられる力作なのは間違いない。
本国、アメリカでの人気が高すぎて日本への入荷はかなり少ないようなので、気になった人は、早めに購入したほうが良いだろう。

 

》Recommend Model
TIMEX(タイメックス)
Q タイメックス
T-2
■Ref. Nos:TW2T80700。SS(38mm径)。5気圧防水(当時と同じスペック)。クォーツ(日本製)。2万3760円(2019年6月発売予定)
※TIMEX TOKYOおよび日本公式サイト以外は、2019年10月にオンタイム各店で追加予定

文◎船平卓馬(編集部)

【問い合わせ先】
DKSHジャパン
》TIMEX(タイメックス)公式サイト
https://www.timexwatch.jp

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