予算3万円台! 編集部:船平のカジュアル時計レビュー/ドイツの個性派“スローラウンド”


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編集部のカジュアルウオッチ担当:船平が、実機を見て“コレは欲しい!”と思ったモデルを本音でレビュー。今回はドイツの個性派ブランド、“SLOW watch(スローウォッチ)”をお届けしよう。

SLOW watch
スローウォッチ

時計といえばやはりスイスがまず頭に浮かぶが、時計王国スイスの隣にありながら、スイスとは一味違う明確な個性を備えた時計を数多く輩出しているのがドイツ。創立100周年を迎えて再注目されているバウハウスに代表されるように、ドイツは近代デザインの成立に大きな影響を与えたデザイン立国として知られているが、同時に古くから時計製造の歴史を持つ国でもあるのだ。

漠然とドイツの時計といわれても、時計にあまり興味がない人にはスイスの時計もドイツの時計も同じに見えるかもしれないが、それぞれお国柄が違うように、時計のデザインにも個性があり、一般的に、ドイツの時計は簡潔、堅牢、無骨であることが特徴とされている。もちろん、すべての時計に当てはまるわけではないのだが、シンプルで機能的、そして良い意味での無骨さを備えたドイツの時計は、時計界でもコアなファンを獲得しているのだ。

今回、レビューでクローズアップする“SLOW watch(スローウォッチ)”も、そんなドイツらしさを濃厚に感じさせる腕時計といえるだろう。

 

》デザインの印象は?
一番の特徴といえるのが、針1本で時間を表示するデザイン。分表示が15分刻みと少々アバウトなので正確さを求める人には向かないかもしれないが、ブランド名さえ排除し、必要最小限の要素で構成された文字盤にドイツ時計らしい美意識が光る。
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また、この時計は正面から見たときのシンプルさとは裏腹に、良い意味での無骨さを備えているのもデザインの特徴。ケースサイドが3面、ラグは4面と、それぞれ複雑な面で構成されており、北欧ブランドの繊細なフォルムとは趣の異なる、ジャーマンブランドらしい重厚さを備えているのが魅力的だ。それに加えて、ケースの表面がマット(マイクロブラスト仕上げ?)な質感になっているのも嬉しいポイント。
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個人的に時計のケースが皮脂で汚れるのがとても苦手なので、べたべた触っても汚れが目立ちにくい質感(マット加工でも仕上げによっては逆に汚れが目立つものもある)は好感が持てる。

 

》装着感は?
ケースのサイズは40mmで厚さは約8mm(わたくしが計測)。手首に沿うように湾曲させたラグを備え、なおかつラグの先端がケースの裏ブタよりもわずかに下にくるように調整した設計になっているため、手首のホールド感がとても高い。
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》ベルトの作りもチェック!
ベルトの素材にはイタリア製のカーフレザーを採用。ステッチやコバの加工のないシンプルなスムースレザーなので高級感はないが、時計本体のシンプルデインダストリアルな雰囲気とのバランスは良好。
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非常に柔らかい質感なので購入してすぐに手首にフィットしてくれるが、簡素な作りなので汗染みや水には注意したい。
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【総評】
時間を15分刻みで表示するため正確な時間を知りたい人にはオススメしにくいモデルだが、ワンハンドという明確な個性と、ドイツらしいシンプルでインダストリアルなデザインがなんともいえない魅力を感じさせる。
あえて、気になる点を挙げるとすれば針の設置位置。文字盤からやや高めの位置に針が設置されているので、目盛りが読み取りにくい印象だが、そもそもが、時間を正確に表示するための時計ではないので、指摘するのは野暮というものだろう。
デザインだけでなく素材にもこだわっており、3万円台の手頃な価格ながら、ケースの素材には医療器具にも採用されるアレルギーを起こしにくい316Lサージカルステンレススチールを採用。風防も反射コートを施した耐傷性に優れたサファイアガラスを使い、10気圧防水を備えるなど実用性に配慮した作りなのも、嬉しいポイントだ。

 

》編集部のオススメモデル
SLOW watch(スローウォッチ)
スローラウンド 01
1本の針で時間を表示する、24時間表示のワンハンドウオッチ。
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■Ref. SLOW ROUND 01。SS(40mm径)。10気圧防水。クォーツ(Ronda 515.24/スイス製)。3万200円(クラウドファンディング での先行発売価格)

文◎船平卓馬(編集部)

【問い合わせ先】
ウオッチメーカーズ
https://watchmakers.en-jine.com/projects/slow

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