高額化が進む時計界だが、デイリーユースで使うならば、やはり10万円前後の手頃な価格帯が望ましい。この企画では価格以上の品質と機能を備えたモデルを四つのテーマで紹介していこう。第3回目のテーマは、レトロなデザインと実用性を両立した“こだわりの復刻モデル”!
【第3回-こだわりの復刻モデル編】
ここ数年、高級時計界でにわかに注目されているのが復刻モデルだ。歴史のあるブランドは過去に製造したモデルのアーカイブを豊富に持っており、それぞれ、時代のアイコンとなった個性的なモデルを輩出していることが多い。そうした往年の名作は歴史的な裏打ちもあるので話題性が強く、リリースと同時に注目を集めやすい。
また、現行の時計とは異なるヴィンテージ感のある意匠がマニアックな時計好きからも支持を集めるため、オメガ、ブランパン、チューダー、ゼニスほか、様々な高級ブランドがかつてのアーカイブを復刻しているのだ。
現行のモデルとは異なるレトロな意匠が個性を主張
こうした復刻モデルのトレンドは、高級ブランドだけでなく、ミドルレンジのブランドにも波及しており、目が肥えた時計ファンでも納得いくモデルが10万円代の手頃な価格帯でも数多くリリースされている。
また、復刻の傾向として見逃せないのが、これまで本格時計の世界ではあまり注目されることのなかった1960年代後半から70年代のモデルが復刻モデルとしてリリースされている点だろう。オーバルケースを採用したダイバーズなど、70年代に流行したスペースエイジの近未来的なデザインが独特の味わいを生み出している。
》編集部のオススメモデル-1
YEMA(イエマ)
スーパーマンヘリテージ
1960年代にダイバーズウオッチで名を馳せたフランスを代表する本格時計ブランド。一時休眠していたが、2005年に復活を遂げた。このモデルは70年代にフランス空軍のパイロットに愛用されたモデルに範を得ており、ベゼルロック機構、シャベル型秒針、スクエア型のアップライトインデックスなど、往年の機構やデザインが継承されている。
■Ref.YSUP2018B-GMS。円SS(39mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.ETA2824-2)。17万5000円
当時流行したボックス形のインデックスも忠実に再現。現行のインデックスに比べて高さがあり、文字盤で存在感を主張する。
ベゼルロック機構も現代に復刻。ネジ込み式リューズと独特な留め具で回転式ベゼルを固定し、誤作動を防ぐ。
【問い合わせ先】
イエマジャパン(TEL. 03-5875-8810)
》イエマ公式サイト:https://jp.yema.com
》編集部のオススメモデル-2
ZODIAC(ゾディアック)
スーパーシーウルフ53
1953年に発売された“ゾディアック シーウルフ”を現代風に復刻した新生ゾディアックの代表コレクション。緻密にバランスを整えることでオリジナルモデルの雰囲気が見事に再現されている。アイコニックなインデックス、針には当時の質感を再現した緑の夜光塗料を施すなど、細部にも丁寧な作り込みが徹底されている。
■Ref.ZO9201。SS(39㎜径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.STP1-11)。17万円
【問い合わせ先】
フォッシルジャパン(ゾディアック)(TEL.03-5992-4611)
》ゾディアック公式サイト:https://zozo.jp/men-brand/zodiac/
》編集部のオススメモデル-3
ALPINA(アルピナ)
スタータイマー パイロットヘリテージ オートマチックGMT
1970年にアルピナが製造したパイロットウオッチにインスパイアされたモデル。オリジナルは機械式アラーム機構を搭載していたが、復刻版ではGMT機能を搭載。放射状のヘアライン仕上げを施したオーバルケースが、70年代独特のレトロな佇まいを再現している。24時間で一周する中央のディスクが第二時間帯表示になっており、外周のインナーベゼル(2時位置のリューズで操作)と併用することで第三時間帯の表示も可能だ。
■Ref.AL-555LNS4H6。SS(42×40㎜サイズ)。6気圧防水。自動巻き。17万4000円
【問い合わせ先】
アルピナ相談室(TEL.0570-03-1883)
》アルピナ公式サイト:https://alpinawatches.com/jp/